アナバイトからドーピング物質が検出された件について

ギャスパリのマルチビタミン&ミネラル『アナバイト』の全成分を解説します!

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東京都中央区出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、外資系ソフトウェアベンダーに5年間働いた後、筋トレが好きすぎてパーソナルトレーナーとして独立。 婚約を機に、平日は普通のサラリーマンをしながら、土日に趣味でパーソナルトレーナーをしている。




本日は「ギャスバリ・ニュートリーションとドーピング」をテーマに書いてみます。

というのも、このブログでもギャスパリの『ANAVITE(アナバイト)』をご紹介していますし、現在はパーソナルトレーナーをやっていないからと言って、無責任な情報発信は良くないと思ったからです。

どんな商品にもメリット・デメリットはあるので(そもそもメリット・デメリットは人によって違うという意見もありますが)、正と負の情報をバランス良く発信することを心がけていきます。

ギャスパリ・ニュートリションとアナバイトとは?

まずはじめに、ギャスパリ・ニュートリーションとANAVITE(アナバイト)について簡単にご説明しておきます。

ギャスパリ・ニュートリーション

ギャスパリ・ニュートリションはリッチ・ギャスパリというボディビルダーが設立した企業で、プロのボディビルダーを顧客ターゲットに設定した商品開発に力を入れています。

遺伝子レベルで体格が違うアメリカのボディビル大会で健闘している山岸秀匡選手のスポンサーでもあることから、日本人にも知られるようになってきています。

ギャスパリ、山岸

 

ANAVITE(アナバイト)

そして、この記事で取り上げるANAVITE(アナバイト)は、ギャスパリ・ニュートリーションが製造販売しているマルチビタミン&ミネラルのサプリメントです。

ギャスパリ『アナバイト』のパッケージ

 

日本で売られているマルチビタミン&ミネラルのサプリメントよりも、

  • 栄養素の種類が豊富で、
  • 値段も比較的安く、
  • AmazonやiHerbで簡単に買える

などの、選ばれやすい理由があります。

もちろん、プロボディビルダーの山岸秀匡選手が使っているということも、玄人向けなブランドイメージにつながっています。

 

何が起こったのか?

そもそも、今回の「アナバイトってドーピング違反になるのか?」という疑問のきっかけになったインシデントをおさらいしましょう。

公益財団法人日本スポーツ仲裁機構にて、ドーピング違反とされた寺崎浩平選手が代理人を通じて異議申し立てを行いました。

その申し立てに対して日本スポーツ仲裁機構が出した仲裁判断に基づき、今回の事例を紐解いてみます。

ドーピング違反とされた選手

今回、摂取していたアナバイトから違反物質が検出された判断されたのは、自転車トラック・レースに出場していた寺崎浩平選手です。

本申し立ては代理人である弁護士を通じて行われているため、仲裁判断の記述にはご本人の名前は出てきません。

ただ、申立人本人からのヒアリングに基づく、ご本人の競技成績は以下とのことです。

申立人は、公益財団法人福井県体育協会(以下「福井県体育協会」という。)に勤務する自転車競技の選手であり、同競技の主な戦績は、以下のとおりである(甲32、申立人本人尋問)。

  • 平成23年
    インターハイ スクラッチ優勝
    第66回国民体育大会(山口)少年男子ポイントレース5位
  • 平成24年
    第67回国民体育大会(岐阜)チームスプリント優勝
  • 平成25年
    全日本自転車競技選手権大会 団体追い抜き3位
    第68回国民体育大会(東京)チームスプリント6位
  • 平成26年
    全日本自転車競技選手権大会 トラック・レース男子マディソン2位
    第69回国民体育大会(長崎)チームスプリント7位
  • 平成27年
    全日本学生選手権 1㎞タイムトライアル優勝
    全日本自転車競技選手権大会 トラック・レース男子マディソン優勝
    第70回国民体育大会(和歌山)チームスプリント3位、1㎞タイムトライアル7位
  • 平成28年
    全日本自転車競技選手権大会 トラック・レース男子マディソン優勝
    第71回国民体育大会(岩手)チームスプリント3位、ケイリン優勝

Source:公益財団法人日本スポーツ仲裁機構

 

第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」

今回、寺崎浩平選手が違反と判断されてしまったのは、2016年10月8日開催の第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」です。

自転車競技のプロ選手である寺崎浩平選手は、この大会にて自転車トラック・レース「自転車成年男子ケイリン」に出場し、見事に優勝されました。

 

世界アンチ・ドーピング機構のリストに違反

ただ、この大会の出場に伴って実施されたドーピング検査において、寺崎浩平選手の尿から禁止物質と定義されている物質が検出されてしまったのです。

このとき違反物質として検出されたのが、1-アンドロステンジオン(5α-アンドロスタ-1-エン-3, 17-ジオン)という物資です。

本件は、申立人が平成28年10月8日に開催された第71回国民体育大会「希望郷いわて国体」自転車トラック・レース(以下「本競技会」という。)に参加した際に、同日実施されたドーピング検査(以下「本件検査」という。)を受けたところ、申立人の尿検体から、世界アンチ・ドーピング機構(以下「WADA」という。)が公表する2016年禁止表国際基準(以下「禁止表」という。)に定める「S1. 蛋白同化薬/1.蛋白同化男性化ステロイド薬(ASS)/a.外因性ASS」に該当する、1-テストステロン(1-Testosterone)の代謝物である5α-androst-1-en-3α-ol-17-one及び1-アンドロステンジオン(1-androstenedione)(以下「本件検出物資」という。)が検出されたことにより、日本アンチ・ドーピング規程(以下「JADA規程」という。)2.1項の規則違反として、日本アンチ・ドーピング規律パネルが申立人に対して同年12月26日付で行った下記の決定(別紙2参照)(以下「原決定」という。)に対して、申立人が原決定の取消し、並びにJADA規程10.2.2項及び10.5.1.2項の適用を求めて仲裁申立てをした事案である。

Source:公益財団法人日本スポーツ仲裁機構

 

 

この物質は、WADAの定めている「2016年禁止表国際基準」にて、蛋白同化男性化ステロイド薬(AAS)に分類されています。

WADAの定めている「2016年禁止表国際基準」にて、蛋白同化男性化ステロイド薬(AAS)に分類

 

寺崎選手に下された処分とは?

禁止リストに書かれている物質が検出されてしまった以上、ドーピング機構としても対象選手に処分をしなければなりません。

今回のドーピング違反に対するペナルティとして寺崎選手に下された処分が以下。

  • 2016年10月8日~28日までの個人成績の失効
  • 2016年10月8日~28日の間に獲得した得点・賞・メダルの剥奪
  • 2016年10月28日から4年間の資格停止

 

せっかく優勝したにも関わらず、その成績とメダルを剥奪されてしまった寺崎選手。

同時に、今後4年間は大会に出場することができないというペナルティも課されました。

Yoshio
プロのスポーツ選手にとって、4年間の資格停止はほぼ選手生命を絶たれることと同義です。

意図的な違反であったなら話は別ですが、寺崎浩平選手はサプリメントについて念入りに独自調査されていたようで、この処分に対して異議申し立てを行ったわけです。

 

申し立ての結果は?

さて、かなりキツい処分を出されてしまった寺崎浩平選手ですが、日本スポーツ仲裁機構に申し立てを行った結果はどうなったのでしょうか。

結論から申し上げると以下のようになりました。

  • 資格停止期間:4年間 → 4ヶ月

 

当初は4年間とされていた資格停止期間が、1/12である4ヶ月に短縮されました。

資格停止期間は2016年10月28日からだったので、この判断が出された2017年8月18日の時点で、寺崎浩平選手の資格は復活していたことになります。

 

アナバイトに禁止物質は含まれているのか?

さて、ここからが今回のテーマになります。

そもそも寺崎浩平選手は、日頃から自身でもサプリメントに関して念入りな調査をしたうえで摂取しており、かつ、これまでのドーピング検査では一度も禁止物質が検出されていませんでした。

それなのに、なぜ今回は違反成分が尿から検出されてしまったのでしょうか。

第三者機関による再検査

申し立てにおいて、寺崎浩平選手は第三者機関にANAVITE(アナバイト)に含まれている物質の再検査を依頼しました。

再検査を行った第三者機関

The Sports Medicine Research and Testing Laboratory

 

再検査の結果は以下。

本件サプリメント検査の結果、本件サプリメントのうち、ANAVITE(平成28年8月26日購入分)(別紙3④-1)及びANAVITE(平成28年9月7日購入分)(別紙3④-2)の両方から、本件検出物質又はその原因物質である可能性が極めて高い1-アンドロステンジオン(1-androstenedione)が、それぞれ、1錠につき約50ナノグラム及び1錠につき約40ナノグラムが検出された(甲28、29)。なお、これらのうち、申立人が本競技会に参加する前に摂取していたのは、ANAVITE(平成28年8月26日購入分)(別紙3④-1)(以下「本件ANAVITE」という。また、別途定義するものを除き、製品としてのANAVITE一般を指して、以下「ANAVITE」という。)のみであり、ANAVITE(平成28年9月7日購入分)(別紙3④-2)は、本件サプリメント検査にあたって、本件ANAVITEの残量がわずかであったことから、検査試料としての十分性を確保するために提出されたものである(但し、製造番号は本件ANAVITEと同一である。)。

 また、上記のほか、本件サプリメント検査の結果、本件ANAVITEから、1錠につき約300ナノグラムの禁止物質たるDHEAが検出され、QH-Absorb(別紙3②)から1錠につき約90ナノグラムの禁止物質たるオキサンドロロン(oxandrolone)が検出された(甲16、28)。

Source:公益財団法人日本スポーツ仲裁機構

 

この再検査では、寺崎選手がドーピングと判断された際に継続的に摂取していたANAVITEを「平成28年8月26日購入分」として提出。

しかしながら、提出された「2016年8月26日購入分」はすでにわずかな量しか残っていなかったため、検査に必要な分量が確保するために、「2016年9月7日購入分」も合わせて提出しておられます。

そして、提出されたサプリメントの錠剤を検査した結果、「2016年8月26日購入分」のアナバイトから以下の物質が検出されたとのこと。

  • 1-アンドロステンジオン
  • デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)

 

1-アンドロステンジオン

1-アンドロステンジオンは副腎で生成される物質で、性ホルモンに変換されます。

具体的には、男性ホルモンであるテストステロン、もしくは女性ホルモンであるエストロゲンに変換されていきます。

昔はプロスポーツ界でもサプリメントとして使われていたこともあるようですが、現在は世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が禁止物質として分類しています。

WADAの定めている「2016年禁止表国際基準」にて、蛋白同化男性化ステロイド薬(AAS)に分類

 

デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)

デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)は副腎で生成され、男性ホルモンや女性ホルモンに変換されていく物質です。

こちらも同じように、WADAによって禁止物質とされています。

DHEA

 

寺崎選手の件から学べること

今回の件から学べる教訓は、

  1. 100%問題ないサプリメントは存在しないと考えたほうがいい。
  2. ドーピング物質が含まれていない商品でも、製造工程で混入する可能性もある。

の2点です。

なので、プロアスリートとして身体をサプリメントの摂取を考えている人は、ご自身の責任で念入りな調査が必要になるでしょう。

ただ、サプリメントを一切摂取していなくても、リップクリームのような日用品にもドーピング検査にひっかかる物質が検出された例があります。

「ドーピング検査に100%ひっかからないサプリはない」のと同じように、ドーピング検査自体も100%正しいとは言えないでしょう。

Yoshio
世の中に100%はありません。

どんな情報源も間違っている可能性がありますし、現在は正しくても未来では間違いになる可能性もあります。

一番大切なのは、ご自身が信じる方法を徹底的に追求する姿勢だと僕は考えています。







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