国際仲裁裁判所への仲裁申し立てとは? ~東芝 vs ウエスタンデジタル~

国際仲裁裁判所に申し立てるとどうなるのか? ~東芝 vs ウエスタンデジタル~

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慶應義塾大学商学部を卒業後、外資系企業に勤務しながらプロボディビルダーに師事し知識と技術を習得。現在は渋谷でサラリーマンをする傍ら、休日にパーソナルトレーニングを指導している。




本日は、個人的な勉強を目的として、東芝vsウエスタンデジタルの話題を取り上げてみます。

東芝による半導体事業の売却に対して、ウエスタンデジタルが国際商業会議所に差し止め請求を申し立てました。

この申し立てにより、今後の東芝半導体事業の売却がどうなる可能性があるのか、お話していきます。

国際商業会議所とは?

まずはじめに、今回のニュースのキーワードになっている国際商業会議所から解説します。

自由かつ公正な市場経済の維持

国際商業会議所は1920年に設立された国際機関で、その目的は以下のように定義されています。

国際商業会議所の目的
  • 国際貿易(商品・サービス)と投資を促進する
  • 企業間の自由かつ公正な競争の原理に基づく市場経済システムを発展させる
  • 世界経済を取り巻く様々な問題(環境、社会問題、等々)への提言を行う。

 

4つの専門機関

国際商業会議所には4つの専門機関があり、国際商業における諸問題解決のための役割をもっています。

  1. 国際仲裁裁判所
  2. 世界商工会議所連合
  3. 商事犯罪情報サービス
  4. 世界商事法務問題研究所

 

今回のニュースでテーマになっているのは「国際仲裁裁判所」で、設立されて以降16,000件を超える案件の仲裁を行なっています。

1899年のハーグ平和会議で設立された常設仲裁裁判所(Permanent Court of Arbitration)とは異なる組織です。

 

申し立てるとどうなるのか?

では、国際仲裁裁判所に申し立てがなされてしまった半導体売却ですが、今後の動向しだいではどうなることが考えられるのでしょうか。

調停と仲裁の違いは?

今回、ウエスタンデジタルが国際仲裁裁判所に申し立てたのは「売却差し止めの仲裁」です。ウエスタンデジタルが申立人、東芝が被申立人となります。

実は国際仲裁裁判所における申し立てには「調停」と「仲裁」の2種類があり、その意味は大きく異なります。

簡単にいうと、「調停」は最終的に当事者間の合意によって解決内容が変わりますが、「仲裁」の場合は裁判所が選定した仲裁人が解決内容を決定します。

前提として、仲裁の場合は当事者が「仲裁人の決定に服する(従う)」ということで合意します。

 

決定に従わないとどうなるの?

事前に「決定に従う」と合意している以上、もし自身にとって納得のいかない決定内容だったとして従わなくてはいけません。

もし納得がいかないからといって決定内容に従わないでいたとしても、片方の当事者が決定内容を実行するよう強制執行できます。

日本の場合は、強制執行したい当事者側が、日本の裁判所から「決定内容の執行」を決定してもらわなければなりません。

Yoshio
いくら決定内容に従わないといけないといっても、日本の裁判所の決定なしでは強制執行されることはないわけですね。

 

「決定に従う」という合意がなされていない場合は?

仲裁の場合、当事者間にて「仲裁人の決定内容に従う」という合意がされていることが前提となります。逆にいえば、この合意がされていないと仲裁を申し立てることができないのです。

この合意は、ビジネスにおける契約を交わすときの契約書に記載されていることが一般的です。もし契約書に合意に関する記載がなくても、争いが発生したときに改めて文書で合意することも認められています。

つまり、仲裁として申し立てられている以上、東芝とウエスタンデジタル間においては「仲裁人の決定に従う」という合意がなされていることになります。







国際仲裁裁判所に申し立てるとどうなるのか? ~東芝 vs ウエスタンデジタル~

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