アナボリック・ステロイドの効果と副作用を検証!

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慶應義塾大学商学部を卒業後、外資系企業に勤務しながらプロボディビルダーに師事し知識と技術を習得。現在は渋谷でサラリーマンをする傍ら、休日にパーソナルトレーニングを指導している。




アナボリック・ステロイド(Anabolic steroid)は、筋トレをしている人なら一度は聞いたことがある用語だと思います。

アナボリック・ステロイドで連想することって、

  • ドーピング
  • ムキムキ
  • 男性ホルモン

とかだと思います。

Yoshio
筋肉増強剤って通称されたりしてますよね。

実は、アナボリック・ステロイドは具体的な物質を意味する用語ではなくて、とある作用をもったホルモンの総称なんです。

そのとある作用とはタンパク質同化作用のこと。食事などで摂取したタンパク質から筋肉や体脂肪を合成する生化学反応をいいます。

鎮痛剤のステロイドとは違うの?

ステロイドは日常生活でも使いますよね。

例えば、皮膚科で処方される医療用ステロイド薬は鎮痛剤として使われています。けっこう効くから頼りにしている人も多いのではないでしょうか。

実は、医療用で処方される塗り薬に含まれているステロイドは、糖質コルチコイドといって僕たちの副腎皮質で生成分泌できるホルモンなんです。

一方で、海外のボディビルダーやアスリートがドーピング目的で摂取しているステロイドは、人工的に作られた合成ステロイドです。

 

アナボリック・ステロイドの効果

注意

アナボリック・ステロイドを用いることは立派なドーピング行為であるだけでなく、健康面でも不利益を被ります。副作用を正しく理解して、間違ってもやらないことをおすすめします。

アナボリック・ステロイドを使うと、ものすごい短い期間で筋肉ムキムキな身体に変わることができます。

圧倒的な筋肥大スピード(バルクアップ)

はじめに結論から申し上げてしまいますね。

アナボリック・ステロイドを摂取しながらトレーニングすると、投与しないでトレーニングした場合とくらべて、22倍以上の圧倒的なスピード差で筋肥大することができます。

筋線維(筋繊維)の量が増えて筋肉が大きくなると、体重が増えてバルクアップすることができます。

この効果を証明する科学的研究を1つご紹介しましょう。

Testosterone dose-response relationships in healthy young men

 

この研究では、アナボリック・ステロイドの1つであるテストステロン・エナンセートというホルモンを用いています。

健康的な男性を5つのグループに分け、それぞれにテストステロン・エナンセートを25mg、50mg、125mg、300mg、600mgずつ投与しました。

その結果、増加した筋肉量は次のような差が出たのです。

増加した筋肉量比較(除脂肪体重)
  1.   25mg投与 ➡︎ 0.4kg
  2.   50mg投与 ➡︎ 1.1kg
  3. 125mg投与 ➡︎ 2.9kg
  4. 300mg投与 ➡︎ 5.5kg
  5. 600mg投与 ➡︎ 8.9kg

 

最初に申し上げた20倍速で筋肥大するというのは、0.4kgと8.9kgを比較した数値です(8.9 ÷ 0.4 = 22.25)。

もちろん、研究に参加した男性の年齢や体重はほとんど均等になるようにグループ分けされているので、明らかにテストステロン・エナンセートの投与量によって差が出たんだと確認できますね。

 

また同時に、体脂肪についても比較結果が出ています。

体脂肪量の変化
  1.   25mg投与 ➡︎ 3.6kg増加
  2.   50mg投与 ➡︎ 2.6kg増加
  3. 125mg投与 ➡︎ 0.3kg減少
  4. 300mg投与 ➡︎ 0.9kg減少
  5. 600mg投与 ➡︎ 2.0kg減少

 

テストステロン・エナンセートを600mg投与した男性グループは、体脂肪も2kg少なくなっていることがわかりました。

投与量が25mg、50mgと少ないグループの男性は体脂肪量が増えているので、ここでもアナボリック・ステロイドの効果がわかります。

 

アナボリック・ステロイドの副作用

アナボリック・ステロイドの効果はズバ抜けた筋肉量増加ですが、その引き換えにたくさんの副作用があります。

どんな副作用があるのかきちんと理解したうえで、やるかやらないかを判断すべきです。

副作用① 肝機能の低下(肝毒性)

僕が個人的にもっともイヤだと感じるのが肝機能低下です。

肝臓とは、僕たちの人体で非常に重要な役割を果たしていて、いろんな成分を代謝したり合成してくれている臓器です。

市販されているアナボリック・ステロイドは、できるだけ身体にとどまって効果を発揮するように「17αアルキレート加工」がなされています。

これは肝臓で分解されにくくするための処理なので、肝臓は代謝しようと働き続けます。その結果、肝機能が低下してしまうのです。

長期間にわたって摂取しているボディビルダーは、肌や目が黄色くなる黄疸(おうだん)を発症しているケースが少なくありません。

 

副作用② 乳首の女性化

不健康とは少し違いますが、アナボリック・ステロイドの副作用として、乳首が女性化してしまうという現象が起こります。

女性化乳房のボディビルダー

これは、アナボリック・ステロイドの投与によって体内のテストステロン量が増加することが原因です。

テストステロンは、アロマターゼという酵素によってエストラジオールという女性ホルモンに変換されます。

アロマターゼと乳がんの関係

アロマターゼは脂肪細胞においてエストロゲンという女性ホルモンを生成しています。

エストロゲンが増加すると乳がんになる確率が高まるので、乳がん治療にはアロマターゼ阻害剤と呼ばれる薬が用いられます。

 

副作用③ コレステロールバランスの悪化

僕たちの血中にあるコレステロールは、善玉と呼ばれるHDLコレステロールと、悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値の2つにわけられます。

アナボリック・ステロイドを摂取することによって、善玉コレステロールが減少し、悪玉コレステロールが上昇してしまうことがわかっています。

最近の研究でわかってきているらしいのですが、HDLとLDLのバランスが健康面では重要だそうです。

アナボリック・ステロイドを投与すればこのバランスが崩れてしまうので、明らかに健康を損なう可能性が上がることは明白ですね。

 

アナボリック・ステロイドの効果と副作用のまとめ

いかがでしたでしょうか。

アナボリック・ステロイドは体内で合成されている成分であり、摂取量を増やすことによって筋肉をつけるスピードを大きく高めることができます。

しかし、副作用がたくさんあるため、使用するかどうかの判断は重要でしょう。

アスリートやプロのボディビルダーは、大会で成果を残せるかどうかが収入に大きくに関わることですから、これらのリスクを背負う価値があるのかもしれません。

しかし、一般的なトレーナーやスポーツ選手の場合は、不正と判断されたあとの処遇によっては選手生命を絶たれることすらあります。

そこまでのリスクをとることは、正直おすすめできないのが僕の本音です。







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