ノーチラス創業者のアーサージョーンズ氏が提唱するHIT理論とは?

ノーチラス

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慶應義塾大学商学部を卒業後、外資系企業に勤務しながらプロボディビルダーに師事し知識と技術を習得。現在は渋谷でサラリーマンをする傍ら、休日にパーソナルトレーニングを指導している。




(2018年7月2日に更新)

こんにちは、パーソナルトレーナーのYoshioです。
渋谷のITベンチャーで社畜をしながら、パラレルキャリアパーソナルトレーニング(筋トレ・ダイエット・食事指導)を指導しています。

 

本記事では、ノーチラスマシンとその開発者のアーサー・ジョーンズ氏について解説します。

アーサー・ジョーンズ氏とHIT理論

まずは、アーサー・ジョーンズ氏についてお話します。

高強度トレーニング」の第一人者

筋力トレーニングを行うにあたって、筋肉が悲鳴をあげるくらい徹底的に追い込んであげる重要性は、これまでの研究において提唱されてきました。

例えば、アーサー・ジョーンズ氏。
彼は、1970年前半にカリスマ的流行をみせたマシンメーカーのNautilus, Inc.(ノーチラス)の創業者であり、短時間の「高強度トレーニング(High-intensity training)」こそが、鍛え上げられた身体に到達する方法と主張しました。

ノーチラスを創業したアーサー・ジョーンズ氏

アーサー・ジョーンズ氏が提唱した「高強度トレーニング」の特徴は、たった1セット筋肉を限界まで追い込むことこそが、筋肥大を最大化する方法だとしていた点です。

それまでのトレーニング理論では、アーノルド・シュワルツェネッガー氏を筆頭に「ジムにこもって長時間フリーウエイトに費やしてこそ、究極の肉体は作り上げられる」という、ハイコスト・ハイリターンが一般的だったため、アーサー氏の主張は当時のボディビルディング界に一石を投じるものでした。

ちなみに、それまでの方法は、ハイボリューム理論もしくはハイボリュームトレーニングと呼ばれています。
Yoshio
この理論が正しいか間違っているか証明することが難しいのは、「たった1セットで限界まで追い込んだ状態」を測定するのが困難だからでしょう。

第一人者はアーサー・ジョーンズではない?

アーサー・ジョーンズ氏が独自のトレーニング理論を提唱し、ノーチラスマシンとしてトレーニング市場を席巻するよりも1世紀近く昔の19世紀以前(≒1800年代)のこと。

スウェーデンの物理学者であるグスタフ・ザンダー氏が、アーサー・ジョーンズ氏の「高強度トレーニング(HIT)」によく似た方法論に基づくトレーニングマシンを完成させていました。

このことについてアーサー・ジョーンズ氏は、インタービューで次のように述べています。

So, in attempts to improve my exercise results, I designed and built a total of about twenty very sophisticated exercise machines, then believing that these were the first exercise machines ever built by anybody. But many years later, I learned that a doctor named Gustav Zander had designed and built a number of exercise machines in Europe nearly a hundred years before I built my first one; I did not copy Zander’s work and learned nothing from him, was not even aware of his work until long after I had made the same discoveries that he had made.

引用元:An Interview with Arthur Jones by Brian D. Johnston

 

和訳するとこんな感じになります。

自らのトレーニング結果を改善する試みの中で、私は約12の洗練されたトレーニングマシンを誰よりも早く設計・構築したと信じていた。しかし、何年もあとになって、私はグスタフ・ザンダー博士の名前と、彼が私よりも100年近く前に、ヨーロッパでいくつものトーニングマシンを設計・構築していたことを知った。私は彼の功績をコピーしてないし、彼から何も学んでいないどころか、私が彼と同様のマシンを作ってから相当あとになるまで、彼の作品に気づきもしなかったからね。

Yoshio
簡単に言えば、「第一人者は別におったらしいけど、ワイはそもそも知らんかったし、全部自分で考えたんやで。」ということですね。

誤解を生みやすいHIT理論

アーサー氏が提唱した「高強度トレーニング(HIT)」理論は、誤った解釈をすることで筋トレにおける誤解を生みやすい特徴があります。

HIT理論では、

  1. 1セットのみで限界まで追い込む
  2. 短時間で一気に追い込む

という2つのポイントがあります。

どちらも、短時間かつ少ない回数で限界まで追い込むことが条件となっていますね。
「筋線維(筋繊維)を追い込んでオールアウトさせる」点では、従来のハイボリューム型のトレーニングと同じです。

しかし一部分だけを切り取ることによって、「筋トレは1セットのほうが効果が高い」とか、「トレーニングは長い時間やるより短いほうがいい」という誤った理解をされてしまうことがあるのです。

Yoshio
「筋肉は限界まで追い込んでこそ成長する」というのHIT理論のベースであり、”1セットだけ”とか”短時間”というのは、一気に筋肉を追い込んだ結果に過ぎないのです。

1セットだけでいい、ではなく、1セットしかやってはいけない(2セットもできる体力を残してんなら、1セット目で追い込めてねぇぞ!)という理論なのです。

ノーチラス(Nautilus, Inc)とは?

続いては、HIT理論を提唱したアーサー・ジョーンズ氏が創業したNautilus, Inc(ノーチラス)についてご説明しましょう。

設立32年の上場企業

今からおよそ32年前、アーサー氏によって1986年に設立されたノーチラス社は、現在もニューヨーク証券取引所(NYSE)に名を連ねる上場企業です。

ノーチラスの株価
Yoshio
僕は株式投資に関してはズブの素人なので、この株価推移についてコメントは一切できません。

5つものブランドを束ねている

はじめはノーチラスブランドのみだった同社ですが、現在では5つのブランドを有しています。

ノーチラスの保有するブランド5つ

左端にあるBOWFLEX(ボウフレックス)なら聞いたことがあるかもしれませんね。

アジャスタブルダンベル(=可変式ダンベル)の領域で、アマゾンのレビューでめちゃくちゃ高評価になっています。

Bowflex(ボウフレックス) アジャスタブルダンベル1090 41kg 1個販売 【正規品】
Yoshio
僕も自宅にダンベルを持っていますが、いちいちプレートを変えないといけないモデル。

トレーニング中に変えるのに時間がかかることに不満を感じていたので、次の給料日でこっそり買ってみようと思います。

影響を受けたトレーニング理論

アーサー・ジョーンズ氏によるHIT理論の影響を受けたトレーニング理論としては、マイク・メンツァー氏のHeavy-Duty method(ヘビーデューティ法)が代表的です。

ヘビーデューティ法とは?

ヘビーデューティ法は、ターミネーターシリーズで有名なアーノルド・シュワルツェネッガー氏のライバルとして活躍したボディビルダー、マイク・メンツァー氏が考案した方法です。

マイク・メンツァー(Mike Mentzer)

もともとアーサー・ジョーンズ氏が提唱していたHigh-Intensity methodを、彼がさらに発展させて自らで実践した理論です。

詳細は、以下の書籍でご覧いただければと思いますが、基本的にはエキセントリック収縮を用いたスロートレーニングが軸になっています。

筋肥大効果を高めるネガティブトレーニングのやり方・ポイントを解説!

2017.12.16

 

ヘビューデューティ法の注意点・リスク

ベヒーデューティ法は、短時間かつ1セットだけでトレーニングを終わらせることができるので、僕みたいな面倒くさがりやタイプには眩しくうつるのですが、上級者以外にはオススメできない理由は2つあります。

リスク①:ケガをしやすい

第一に、ヘビーデューティ法は1セットで狙った部位をオールアウトさせるため、どうしても限界ギリギリの高重量を設定することになります。

高重量と高強度は違いますが、とはいえ、たった1セットで疲労しきってへろへろになるためには、ある程度の高重量で実施しなければいけません。

自分の限界まで追い込むということは、最後の1回は死に物狂いでやることになります。
そうなったら最後、もはや自身の力でダンベルやバーベルを支える力も残りません。

結果、ケガをします。
ダンベルを足に落としてしまえば骨が砕けますし、自宅でやっている方は床や家具をぶっ壊してしまうかもしれません。

Yoshio
つまり一言でいえば、いざとなったときに助けてくれる補助が必要だよ。ということです。

リスク②:限界になる重量設定が難しい

ヘビーデューティ法は、たった1セットに全てを賭けなければいけません。

必然的に、最初の重量設定が肝心になります。
軽ければ追い込みきれないのでNGですが、かといって重過ぎても回数をこなせなければ無意味です。

もしハイボリューム法であれば、1セット目で重量設定を間違えたとしても、2セット目や3セット目で調整できますが、ヘビューデューティ法は1セットで完結しなければならないため、最初の重量設定でこけると全部がダメになります。

Yoshio
重量設定はトレーナーとして経験値を積んでも、なかなか1回で成功させることはできません。

毎回のトレーニングをメモしていたとしても、次回は筋肉が成長していたり、もしくは体調変化でコンディションが芳しくなかったりすれば、設定した重量が不適切になる場合があります。







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